イギリスのスコットランド国民党とウェールズ国民党の事例を取り上げて,多層ガヴァナンスの進展によって生じた環境変化に対するナショナリズム政党の適応について,イギリスの国政政党との政党間競争のインパクトを視野に入れて分析した。 本研究を通じて明らかにされた点としては,①ナショナリズム政党が「抵抗政党」から「統治政党」へと発展していること,②ナショナリズム政党の主要目標である自治・独立の内容について変容が見られること,③国政政党の対応として権限移譲の受容と党内分権の進展が見られること,以上3つを挙げることができる。
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