本研究では、主としてドイツ系の三人の政治思想家(マックス・ウェーバー、カール・シュミット、オットー・キルヒハイマー)の検討を通じて、今日の政党政治への不信について考察した。 成果は、以下の4つのテーゼにまとめることができる。1. 現代の政治理論は、対抗する党派を否定的に評価しがちである。2. ポピュリズムは政党政治への不信と密接に関連している。3. ウェーバーのレジティマシー論は、シュミットのレジティマシー論とは異なり、対立する複数の党派を前提にした政治秩序の理論として再評価できる。4. キルヒハイマーの「包括政党」テーゼは、フランクフルト学派のナチス・レポートを基礎にしている。
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