研究実績の概要 |
2014年4月から2019年3月まで、第二次世界大戦中にアメリカ合衆国によってラテンアメリカ諸国からアメリカのテキサス州クリスタル・シティ抑留所に収容された元日系ラテンアメリカ人収容者と、1988年に成立した市民自由法の適用外になった日系ラテンアメリカ人収容者に対する本格的な戦後補償運動に携わった活動家の方々へのインタビューを、アメリカ及びペルーで行うと同時に、本件の国家的な介入プロセス等を検証するため、アメリカ(National Archives,Maryland and Washington DC)、ペルー(Archivo General de la Nación, Lima en Perú)、日本(外務省外交史料館、東京)及び元収容者の方々からお借りした一次史料を基に研究を重ねた。 インタビューは6年間に15名の方々(モチヅキ裁判の原告代表カルメン・モチヅキさん及びアリス・ニシモトさん、市民自由法の制定を含めた戦後補償交渉に尽力されたヘクター・ワタナベさん、日系ラテンアメリカ人元収容者への本格的な戦後補償運動の中心的な役割を担ってこられたグレイス・シミズさん及びリチャード・カツダさん)と行い、その過程で収容者全員の家族名簿と収容所閉鎖後の名簿を入手、さらに特にアメリカが所蔵する膨大な史料を閲覧することができた。 最終年度には、前年度からの継続で「アメリカ政府による日系ラテンアメリカ人の強制連行と戦後補償─市民自由法制定から30 年を経た今、点から線へ(後編)」『阪南論集・社会科学編』第55巻第1号、阪南大学学会、2019年10月を執筆したほか、2019年度あべのハルカスキャンパス公開講座第3回「第二次世界大戦下にアメリカによって強制収容された日系ラテンアメリカ人に対する戦後補償」2019年12月7日実施において、科研費の成果報告を行った。
|