本研究の目標は、米国が如何なる戦略で石油を確保し、国際政治を動かしてきたのかを明らかにすることであった。研究・調査の結果、米国は、ドル基軸通貨制度によって世界経済を支配し、圧倒的な軍事的優位を維持することを目標としてきたことがわかった。秩序構築の鍵となったのが、サウジアラビアなど産油国との協力である。米国は石油取引のほとんどをドル建てとすることに成功した。OPEC諸国に輸出収益として流入したドルは、英米の銀行に預けられ、発展途上国に再貸付された。融資を受けた国は、米国そして米国が主導するIMF・世界銀行の影響を受け、支配されていくことになる。米国の覇権がこうして構築されたことを明らかにした。
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