研究課題
本研究は、プレットン・ウッズ体制確立の立役者であったヘンリー・モーゲンソ―米国財務長官とその側近で経済学者であったハリー・D・ホワイトの戦後国際政治経済構想と展開に対して連合国占領下の日本がどのような対応を行っていったのかについて研究を行っている。そのさい、連合国の対日占領期の1949年に、総司令部の指示により設立された日本国政府の独立行政委員会外国為替管理委員会(以下、外為委員会)の形成と解体を、同委員会の中心メンバーであった木内信胤委員長と牛場信彦同委員会事務局長の動向に焦点を当てながら考察を行ってきている。また、戦後の日本における外資導入のあり方について、外国為替管理委員会の外国為替と貿易の管理に関する政策という観点と国際通貨基金が行った外国為替管理政策という観点から検証している。これらの考察を行った結果、米国が戦後どのような経緯で日本の経済復興を行うようになっていったのかについて再検証する必要性に迫られた。本年度は、日米開戦後から1948年の時期における米国の世界戦略と米国がその対東アジア政策で重視していた米中関係について調査、研究、執筆を予定以上に時間を割くこととなった。米国は終戦時において中国がブレトン・ウッズ体制の重要な一翼を担うことを期待していたわけで、国共内戦で米国が支援していた国民党が台湾に敗退していなければ、日本に有利となった米国の外国為替管理政策はあり得なかったといえよう。今年度の成果としては2本の論文をあげられる。
3: やや遅れている
米国が戦後どのような経緯で日本の経済復興を行うようになっていったのかについて再検証する必要性に迫られた。本年度は、日米開戦後から1948年の時期における米国の世界戦略と米国がその対東アジア政策で重視していた米中関係について調査、研究、執筆を予定以上に時間を割くこととなった。米国は終戦時において中国がブレトン・ウッズ体制の重要な一翼を担うことを期待していたわけで、国共内戦で米国が支援していた国民党が台湾に敗退していなければ、日本に有利となった米国の外国為替管理政策はあり得なかったといえよう。収集した国際通貨基金や外国為替管理委員会の資料の読み込みと分析はやや遅れいる。
「米国は、国際通貨基金を通じてブレトン・ウッズ体制に関するどのような戦略に基づいどの程度標準的外国為替・貿易管理政策モデルを適用させながらIMF加盟国および日本のような潜在的加盟国の外国為替および貿易の管理政策に影響を与えていったのか」という命題を考察・解明していくための資料の収集と解読、そしてこれらに基づき前述の命題を考察・解明することを少なくとも試みる論文の執筆を行っていく。
当初想定していた物品購入を見合わせたため、本年度は当初予定していた支出金額を下回る金額となったが、これは、平成28年度に有効利用する。
この研究テーマに関係する研究書・論文を含む2次資料の調査、収集、解読を、1次資料の調査、収集、解読とともに行う。論文の執筆を行う一方、その前後に研究会や学会で発表を国内外で行うことを進めていく。また、本研究テーマに関係する資料調査と収集を日本国内や米国などで行う予定である。こうした目的に使用する予定である。
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