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2014 年度 実施状況報告書

無国籍者への国際的対応:難民レジームからの理論的・実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26380214
研究機関国際基督教大学

研究代表者

新垣 修  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (30341663)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード無国籍 / 無国籍者 / 国際レジーム / 無国籍者の地位に関する条約 / 無国籍削減条約
研究実績の概要

平成26年度の実績としてまず第1に、無国籍者への国際的対応について既に発表されている著書や論文、報告書、執務文書を網羅的に収集した。
第2に、収集された上記の情報のレビューを行なった。具体的には、難民レジームのアクターやそこで形成された原則、規範、規則、政策決定のプロセスに着目し、当該レジームと無国籍者との関係、他のレジーム間の緊張関係・協調関係等を探ることができた。特に、法的側面の歴史的展開についての知識の収穫が大きかった。
第3に、ハンガリー及びラトビアで資料収集と聞取り調査を実施し、無国籍者への政府の取り組みや国際機構との協力の実態について学んだ。ハンガリーは、無国籍者認定手続と保護的地位を法定化において国際的パイオニアである。ハンガリー政府や同国法実務家が国連機関と綿密に連携を図り、無国籍条約運用の実体化を進めている様子を詳細に知ることができた。また、人口の10パーセント程度が無国籍者やノン・シティズンであるラトビアでは、無国籍が外交・安全保障上の課題であることを確認した。
第4に、研究会において学術報告を2度行い、学術雑誌において論文を2件掲載した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

書籍・論文等については主に所属大学機関を通じて入手できたが、入手困難な資料については、国連機関やハンガリー、ラトビアの関係者の助力をいただくことで問題を解決できた。
情報のレビューについては、法的側面の歴史的発展での検討が当初の計画以上に進んだ。
平成26年度の成果は、2度の学術報告と論文を2件の学術論文で発表された。
以上から、研究の達成状況は概ね良好といえる。

今後の研究の推進方策

まず第1に、前年度から継続し、新たに出版・公開された関連資料を収集するとともに、レビューと分析を行う。特に今後は、国際レジームの理論面に焦点を置きたい。
第2に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)本部(スイス・ジュネーブ)及び英国で現地調査を行う予定である。UNHCRは新たな主要任務として無国籍者保護に向けた動きを活性化させているので、国際保護サービス部無国籍者ユニットを訪問し、無国籍者関連条約におけるUNHCRの役割などについて情報したい。また、UNHCRを中核とした新たなレジームの形成の可能性や、非国家アクターの動向やネットワークの構築についても探ることとする。英国は近年、無国籍者認定制度を整備したところであり、有識者への聞取り調査によって情報を収集したい。
成果の開示については、研究会で報告を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

3月分の臨時職員謝金精算が年度内に完了しなかったため。

次年度使用額の使用計画

上記のとおりすでに支払い済みである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 無国籍者地位条約と無国籍削減条約:成立までの経緯と概要2014

    • 著者名/発表者名
      新垣修
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 86 ページ: 35, 40

  • [雑誌論文] 無国籍者地位条約の成立と展開2014

    • 著者名/発表者名
      新垣修
    • 雑誌名

      難民研究ジャーナル

      巻: 4 ページ: 3, 15

    • 査読あり
  • [学会発表] ハンガリーの無国籍認定制度2014

    • 著者名/発表者名
      新垣修・関聡介
    • 学会等名
      無国籍研究会
    • 発表場所
      四谷保健センター
    • 年月日
      2014-12-19
  • [学会発表] 無国籍をめぐる政治と法2014

    • 著者名/発表者名
      新垣修
    • 学会等名
      無国籍研究会
    • 発表場所
      いずみ橋法律事務所
    • 年月日
      2014-05-23

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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