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2016 年度 実績報告書

無国籍者への国際的対応:難民レジームからの理論的・実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26380214
研究機関国際基督教大学

研究代表者

新垣 修  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (30341663)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード無国籍 / 国籍の剥奪 / 安全保障化 / 難民レジーム
研究実績の概要

平成28年度には、これまでの調査で明らかとなった新たな問題を掘り下げることができた。具体的には、「国籍の安全保障化」という現象である。一部の自由民主体制諸国では自国領域内でのテロの顕在化を「新時代の脅威」と位置づけるようになった。これに対抗する措置の一つが、脅威となるかもしれない自国民の国籍を剥奪し、テロを予防する政策である。本年度発表の論文や学会報告を通じ、自国民の国籍を剥奪する権限やそれに準ずる権限が、対テロ政策の一環として強化されつつあることを説明した。そこで着目したのが、「安全保障化」のアプローチであった。これにより、一部の国民が非対称的性格を帯びた新時代の脅威と認識され、脅威対抗措置としての国籍剥奪が政治的に選択されていく過程を明らかにした。加えて、構成されてきた一定の脅威認識や対抗措置について、これを批判的に問う見解にも注目した。
また、平成28年度は本研究の最終年度であったので、期間の後半は3年間の研究成果の取りまとめに注力した。平成29年2月に実施した研究成果報告会では、まず、歴史的展開に着目し、難民レジームにおける無国籍の地位の変化について説明した。これを踏まえ、調査対象とした欧州諸国(英国、ハンガリー、ラトビアなど)を例に、無国籍(者)への国際的対応(保護、防止、削減)の現状とその背景について、主に国際レジームの観点から検討し報告した。さらに、難民レジームにおける無国籍に関する営みが、グローバル・ノース/サウスの分化を促進する可能性について論じた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 現代の難民レジームにおける武力紛争と国際人道法:一時避難民と条約難民2016

    • 著者名/発表者名
      新垣修
    • 雑誌名

      論究ジュリスト

      巻: 19 ページ: 83~90

  • [雑誌論文] 国籍の剥奪と安全保障化2016

    • 著者名/発表者名
      新垣修
    • 雑誌名

      PRIME

      巻: 40 ページ: 3~13

  • [学会発表] JSPS科研費JP26380214最終年度報告会2017

    • 著者名/発表者名
      新垣修
    • 学会等名
      無国籍研究会
    • 発表場所
      UNHCR駐日事務所 (東京都港区)
    • 年月日
      2017-02-24
  • [学会発表] 国籍の剥奪と安全保障化2016

    • 著者名/発表者名
      新垣修
    • 学会等名
      日本平和学会2016年度秋季研究集会自由論題部会2「国家、(無)国籍、そして人間」
    • 発表場所
      明星大学(東京都日野市)
    • 年月日
      2016-10-23
  • [学会発表] Refugee Status in the Context of Armed Conflict2016

    • 著者名/発表者名
      新垣修
    • 学会等名
      Contemporary Refugee Crisis and Syrian Exodus
    • 発表場所
      ニューデリー(インド)
    • 年月日
      2016-04-04
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 『多文化「共創」社会入門』2016

    • 著者名/発表者名
      小泉康一 川村千鶴子(編)、新垣修(分担執筆:第13章「私はどこに属しているの?:無国籍に対する国際的取り組み」)
    • 総ページ数
      196
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会

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公開日: 2018-01-16  

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