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2017 年度 実績報告書

欧州における移民出身ムスリムの排除と包摂:移民を包摂するシティズンシップの構築

研究課題

研究課題/領域番号 26380218
研究機関明治学院大学

研究代表者

浪岡 新太郎  明治学院大学, 国際学部, 准教授 (40398912)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード移民 / フランス / イスラーム / 共和国
研究実績の概要

本研究は、欧州における移民出身ムスリムを排除しない包摂型シティズンシップの研究を目的とした。包摂型リベラルシティズンシップが定着しつつある欧州における、移民出身ムスリム国民を排除しない包摂型シティズンシップの構築という課題に取り組む。移民出身ムスリムは、 国籍如何に関わらず、そのムスリムアイデンティティがシティズンシップ行使において前提とさ れるアイデンティティ(市民アイデンティティ)と矛盾することを警戒され、公教育を受ける権 利など、その行使において排除されることが多い。具体的には、最多の移民出身ムスリムが定住 し、排除が顕著なフランスを事例に、ムスリムアイデンティティを理由とした包摂・排除の実態 を、(ア)政治参加、(イ)教育、(ウ)宗教実践、(エ)雇用の政策分野の地域ごとに調査によっ て明らかにした。また、その知見を、移民を巡るシティズンシップ研究の内に位置づける。どのようなムスリムアイデンティティが市民アイデンティティと対立すると判断され、どのように諸権利の行使から排除されるのかを明らかにするために、包摂・社会的紐帯の回復において 重要な(ア)政治参加、(イ)教育、(ウ)宗教実践、(エ)雇用の分野において移民出身ムスリム の包摂と排除の実態を、彼らの集住する3大都市であり、特別の行政区となっているパリ、リヨ ン、マルセイユを対象に明らかにした。結果的に、言説レベルでは共和国対イスラームという一面的な対立が強調されるものの、実際には分野ごと、地域ごとに排除の形態が異なることを明らかにした。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] パリ政治学院国際関係研究所(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      パリ政治学院国際関係研究所
  • [雑誌論文] フランス共和国における<ムスリム女性>の解放;2017

    • 著者名/発表者名
      浪岡新太郎
    • 雑誌名

      国際学研究

      巻: 50 ページ: pp39-62

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] イスラームとテロリズム:フランス人ムスリムの過激化2018

    • 著者名/発表者名
      浪岡新太郎
    • 学会等名
      反グローバリズム再考―国際経済秩序を揺るがす危機要因の研究―(日本国際問題研究所)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] フランスにおける宗教的多元主義と過激化――エスニッ. クブラインドな共和国モデルから治安の多文化主義へ2017

    • 著者名/発表者名
      浪岡新太郎
    • 学会等名
      日本国際政治学会
  • [学会発表] 統合高等審議会報告書(1991 ~ 2013 年)にみる移民のフランス的統合(4): ムスリムアイデンティティをめぐる統合政策の変化を中心として2017

    • 著者名/発表者名
      浪岡新太郎・エレーヌルバイ
    • 学会等名
      日本社会学会
  • [学会発表] フランスにおける多文化共生と難民危機――「過激化」の観点からのムスリムへの政策的対応2017

    • 著者名/発表者名
      浪岡新太郎
    • 学会等名
      日本社会学会
  • [学会発表] 欧州におけるムスリム系移民出身者の過激化問題について2017

    • 著者名/発表者名
      浪岡新太郎
    • 学会等名
      日本エネルギー経済研究所 中東研究センター国際シンポジウム
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 政治と宗教のインターフェイス2017

    • 著者名/発表者名
      浪岡新太郎、丸岡高弘、奥山倫明、サミラ・ベリジャド、サガヤラージ・アントニサーミ、川島正樹、小林純子、土倉莞爾、中村督、
    • 総ページ数
      287
    • 出版者
      行路社

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公開日: 2018-12-17  

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