本研究は、イスラーム国出身者(移民出身ムスリム)を排除しないシティズンシップの構築という課題に取り組む。欧州において包摂型リベラルシティズンシップが定着する一方で、彼らは、 国籍如何に関わらず、そのムスリムアイデンティティとシティズンシップ行使の前提とされる居 住国への帰属意識(市民アイデンティティ)との対立を警戒され、公教育を受ける権利など、シ ティズンシップの行使において排除されることが多い。具体的には、最多の移民出身ムスリムが 定住し、排除が顕著なフランスを事例に排除の条件を明らかにした。
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