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2014 年度 実施状況報告書

冷戦期米国のソフトパワー戦略と米国のメディア産業

研究課題

研究課題/領域番号 26380219
研究機関早稲田大学

研究代表者

有馬 哲夫  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10168023)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードソフトパワー / 外交 / 広報 / メディア / プロパガンダ / マスメディア / アメリカ合衆国
研究実績の概要

平成26年度はアメリカ合衆国メリーランド州カレッジパークの国立第2公文書館、ワシントン特別区の議会図書館、ミズーリ州インデペンデンスのハリー・S・トルーマン大統領図書館、カリフォルニア州パロアルトーのスタンフォード大学ハーバート・フーヴァー研究所でUSIA(アメリカ情報局)とアメリカの民間企業(とくにアメリカの広告協会、PR協会、出版協会、原子力産業およびそこに参加しているアメリカ企業)の連携に関する文書を収集し、これを通読し、分析した。
その結果、USIAがソフトパワー政策を実施するにあたってアメリカの民間企業とどのように提携しているのか、とくにどのように民間活用しているのか一つのパターンが見えてきた。
USIAは世界中に展開しているアメリカ企業の支社や支局や販売網のネットワークを通じて、アメリカ企業の広告やPRにつかったパンフレットやチラシをヨーロッパ諸国とくに東ヨーロッパ諸国のアメリカンセンターや教育機関に送らせて、アメリカの国力や科学技術力をアピールさせていた。これはVOA(アメリカの声)などラジオによるプロパガンダ放送と相まってトルーマン政権の反共産主義宣伝キャンペーンであるCampaign of Truthの重要な部分を担っていた。
ともすれば、USIAが国費で作った官製プロパガンダに注目しがちだが、民間企業の広告やPRをそのままアメリカの国力と技術力の宣伝に使うという発想があったことは発見だった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度は、9月におよそ2週間にわたってアメリカ合衆国で資料収集を行い、おおむね所期の目的を達成した。これまで、アメリカの広報外交やソフトパワーとしては官製のVOAやプロパガンダ放送に注目してきたが、世界各国に展開しているアメリカの民間企業の活動、とくに広報と販売促進の活動がUSIAのソフトパワー政策にしっかり位置づけられ、政府の政策遂行に貢献していることは小職としては発見だった。

今後の研究の推進方策

今年平成27年度も、引き続きアメリカ第2公文書館などでUSIAの文書を収集し、映画、ラジオ、テレビ以外にも企業PRリーフレットやパンフレットなどにも注目して、アメリカのソフトパワー政策における民間企業の貢献を明らかにしていきたい。

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公開日: 2016-05-27  

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