1953年アイゼンハワー政権下で米国はUSIAを設立し、本格的な広報外交を始めた。翌年にはPeople to Peopleプロジェクトを開始し、ここにアメリカの映画や音楽や漫画の娯楽産業、ラジオやテレビなどのメディア産業、さらに広告産業などを参加させ、そのソフトパワーを広報外交に活かそうとした。プロジェクトそのものは予算不足から成果があがらなかったが、産業界のソフトパワーを広報外交に活かす仕組みはUSIAの中で続いていった。1967年にUSIAの民間企業課は廃止され、その機能は他の課に移されたが、それまでに同機関と民間企業はどのように協力して米国の広報外交を強化していくかを学んでいたのである。
|