研究課題/領域番号 |
26380227
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
牧野 久美子 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (30450505)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 反アパルトヘイト / 社会運動 / 国際連帯 / 国際情報交換 / 南アフリカ / 日本 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本で1960年代から90年代にかけて展開した反アパルトヘイト国際連帯運動について、文献調査や聞き取り調査を通じてその全容を明らかにし、その社会運動としての特徴を明らかにすることを目的としている。また、公共図書館等で閲覧可能な反アパルトヘイト運動資料が限られていることを踏まえ、運動資料の保存・公開の道筋を探っている。2014年度には、以下の活動を実施した。 ・文献調査:研究テーマに関連する二次文献を随時収集するとともに、2015年1月に南アフリカ共和国で現地調査を実施し、西ケープ大学およびフォートヘア大学におけるアーカイブ調査を行った。 ・聞き取り調査:研究会実施、個別のインタビュー実施、研究テーマに関連するイベントへの出席等を通じて、南アフリカや日本での反アパルトヘイト運動の経験者への聞き取り調査を行った。 ・運動資料の保存・公開:当時の運動参加者と連携して、全国の運動資料を収集した。運動資料の保存・公開に関して、他の市民運動の事例について情報収集を行った。立命館大学生存学研究センターのウェブサイト内に本プロジェクトのページを開設し、PDF化した運動資料の一部を公開した。 ・研究発表:日本アフリカ学会、および同志社大学GRM主催国際会議(Africa and Asia: Entanglements in Past and Present)において研究発表を行い、出席者から有益なコメントを得た。また、日本貿易振興機構アジア経済研究所「社会運動研究の到達点と課題に関する基礎的研究」研究会において、本研究に関連する内容の報告書原稿を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会の実施回数は当初予定より少なかったが、年間を通じて、のべ30名近くから運動参加の経験について聞き取りを行ったことで、運動内部の多様性や、日本の他の市民運動との関係について理解が深まった。収集資料のデータベース化の作業は完了していないが、2015年度以降に予定していた資料のインターネット公開は部分的に前倒しして実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査を引き続き実施する。聞き取り調査について、2014年度は東京・大阪の大都市圏の運動経験の聞き取りが中心となったが、2015年度以降、日本各地、また海外へと対象範囲を広げる。運動資料の保存・公開について、収集済みの資料の整理をすすめるとともに、最終的な保存・公開方法について引き続き模索する。中間的な研究成果を国内外で積極的に発表し、フィードバックを研究活動に生かす。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年の海外調査は2名を予定していたが1名の実施となったこと、運動資料データベース作成のためのアルバイトを雇用しなかったこと、図書購入を行わなかったことから次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度は海外調査を2名で実施し、出張期間を当初計画(1週間)より延長し、欧州および南アフリカでの調査を実施する。運動資料データベース作成のためのアルバイトを年間20日程度雇用する。
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