研究実績の概要 |
本研究では、日本で1960年代から90年代にかけて展開した反アパルトヘイト国際連帯運動について、文献調査や聞き取り調査を通じて、その社会運動としての特徴を明らかにすることを目的としている。 2017年5月には「反アパルトヘイト運動と女性、文学」、2017年7月には「アフリカ研究者が市民活動に関わること」をテーマとする公開研究会を開催し、運動内のジェンダーの問題や文学と運動の関係、また研究者の市民運動への関与について、当時の運動参加者からの聞き取りと、参加者を交えた討論を行った。このほか、2016年度までに引き続き、連携研究者の津山直子氏とともに、運動当事者や支援者への聞き取り調査を断続的に行った。 研究成果の一部は、2017年10月の日本国際政治学会2017年度学術大会トランスナショナル分科会で報告した(牧野久美子「反アパルトヘイト国際連帯と日本の市民運動」)。また、アフリカ・アジア間の人の移動をテーマとする英語の論文集に反アパルトヘイト運動に伴うアフリカ・アジア間の人の移動をテーマとする論文を寄稿した(Kumiko Makino, Travelling for Solidarity: Japanese Activists in the Transnational Anti-apartheid Movement, in S. Cornelissen and Y. Mine eds., Migration and Agency in a Globalizing World: Afro-Asian Encounters, Palgrave Macmillan, 2018)。また、2016年12月に立教大学で実施した公開講演会「反アパルトヘイト運動を記憶する」の講演記録が立教大学共生社会研究センターから刊行された。
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