客観的確率がわからないという曖昧な状況を回避する傾向(曖昧性回避)を、客観的確率の下でリスクを回避する傾向(リスク回避)から分離する、新たな平均分散モデル(Maccheroni et al.(2013))を資産価格理論へ応用した。期待収益率から利子率を引いた期待超過収益率が、市場の期待超過収益率にベータと呼ばれる係数をかけたものになることを確認するとともに、この均衡式を変換することで、曖昧性回避をとらえる因子を実証的に検証できる可能性を示した。また、曖昧性回避をとらえる因子の期待収益率は、市場の期待収益率よりも低くなることを理論的に証明した。
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