研究実績の概要 |
DeMarzo, Fishman, He, and Wang (2012, Journal of finance) の動学的投資モデルを拡張して、資本ストックやキャッシュ・フローの長期的な変動を表す確率微分方程式を導入した。そのうえで、長期的なパフォーマンスの指標を定め、それに基づいて設備投資、経営者報酬、経営者の交代タイミングなどを盛り込んだ長期契約を書く形で、連続時間での最適な動学的契約問題を定式化した。 この段階では、通常の連続時間契約モデルと同じく、最初の時点で経営者と合意した長期契約にどの時点でも投資家はコミットメントできる、すなわち、長期契約は再交渉できないものと仮定した。その上で、最適な設備投資計画、経営者の報酬、および経営者の交代のタイミングを、長期的なパフォーマンスの指標に基づいて導出し、また、その実証的インプリケーションも明らかにした。
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