本研究では、消費・貯蓄の効率的な意志決定に不可欠なセルフ・コントロール(自制)の機能を理論と実証の両面から解明し、実際の消費者行動が記述できるよう従来の消費選択理論を再構築した。 具体的には、第1に、セルフ・コントロールの達成に意志力の消耗という費用がかかる場合の消費者行動を記述する理論モデルを開発した。関連して、子供のセルフ・コントロールを誘導する親の利他的行動を説明した。第2に、喫煙、負債、健康管理の失敗などが、選択の現在指向性によって測定されるセルフ・コントロール力と関連していることをデータで示した。成果は、6本の査読論文と、1冊の英文著作、2冊の英文編著作として出版した。
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