研究実績の概要 |
平成26年度は研究計画に基づき、以下の点について研究を行った。 (1)理論的研究:Klibanoff, Marinacci, and Mukerji (2005, Econometrica)は、ナイト流不確実性の認識とナイト流不確実性に対する態度を峻別可能とするモデルを提案したが、そのモデルに基づき、現実の経済問題への応用可能性について研究を行った。 (2)論文の報告:執筆した論文に関して、論文の完成度を向上させるべく、他大学(名古屋大学、慶應義塾大学)が主催する研究セミナーにおいて研究成果を報告し、参加者と有意義な討論を行った。 (3)研究成果の公表:国際的学術誌に投稿していた論文について、ナイト流不確実性が意思決定者のサーチ行動に与える効果について経済実験により検証した論文が国際的学術誌に採択された。この研究は、ナイト流不確実性が意思決定者のサーチ行動に与える効果を理論的に研究したNishimura and Ozaki (2004, Journal of Economic Theory)を経済実験の視点からサポートする研究である。また、政府の環境政策に対して、リスクとナイト流不確実性が逆の効果を持つことを理論的に分析した論文が国際的学術誌に採択された。この論文は、どのような要素に対してナイト流不確実性を導入するかが結論に影響を与えることを示した論文である。 (4)本研究の意義:不確実性の概念としてリスクとは異なるより広い概念であるナイト流不確実性の意義について、応用研究を通じて明らかにした。
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