数学的期待値とは、ある関数を実数で近似して得られる実数であるが、この近似を平均二乗誤差の最小化を通して行うのが数学的期待値の求め方であり、また、このようにして求めた最小化を実現している実数が数学的期待値に他ならない。本研究は、申請者自身が行った、平均二乗誤差をより一般的に拡張した場合の研究をもとにしたものである。より具体的には、過大推定と過少推定を非対称的に評価する誤差を用いて近似した場合の研究を指している。本研究では、これを意思決定論の文脈に応用し、これまでとは全く異なる結果を得た。すなわち、エルスバーグの反例と呼ばれる確率を用いては説明できない現象が、これによって説明できることが示された。
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