研究課題/領域番号 |
26380270
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 建夫 岡山大学, 社会文化科学研究科, 特命教授 (00150889)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 所得・資産分布 / 世界的所得分布 / 購買力平価 / 不平等 / 貧困 / 所得格差 / グローバリゼーション |
研究実績の概要 |
グローバル化の進展により、いわば地球市民の観点から世界を一体的に把握することの重要性は今日ますます高まりを見せている。このような観点から、世界各国から得られる各国の所得水準、人口、国内所得分布を総合して、世界全体を対象とした大域的所得分配の不平等度・貧困度の推移を計測しその要因を分析することが、本研究課題の目的である。研究計画に基づき、本年度は次に示す概要の研究を実施した:(1)昨年度に引き続き、国連統計委員会の勧告に基づいて実施された購買力平価に関する国際比較プログラム(International Comparison Program)2011年ラウンドの計測結果を反映した時系列所得データ(世界開発報告掲載)に基づく世界的所得分布の推移の計測を更に進め、多くの知見を得た。特に興味深い現象と思われるのは、新興諸国の目覚ましい経済発展による世界的所得分布の二極分解性の急速な解消であり、この問題についてより分析を深めるよう努力した。また、従来とは異なる独自の貧困度指数に基づく貧困度推移と、従来より理論的分析を進めている中間的不平等概念を取り入れた不平等推移の分析を行った。(2)平成28年後半には、2011年ICPを取り入れた新しい時系列データセットであるPenn World Table version 9.0 が公表されたため、これら新データを取り入れた計測と分析を追加し、本研究課題をより精緻に達成することが重要であると判断した。このため、これらデータの検討作業を新たに行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2016年度後半は、新データの公表等によるデータの再検討を追加し研究の精緻化を目指したため、研究成果のとりまとめについては当初計画を見直し、2017年度に持ち越すこととした。世界的所得分布不平等と推移に関する計測とそれに基づく要因分析は順調に進んでいるが、成果とりまとめを2017年度に持ち越したことを勘案すると、上記評価区分が妥当かと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
新データを取り入れた実証分析を進め、研究成果のとりまとめを行い、学会・研究会で報告するとともに学術専門誌に成果を投稿し掲載をめざす。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、国際比較プログラムを反映した時系列データ等を用いて、世界的規模で見た所得分布の推移と計測と分析を行ってきたが、平成28年度後半に2011年ICPを取り入れた新j系列データやアジア諸国のミクロ統計が公表されてきたため、新データを取り入れた計測を追加する必要性が生じ、研究計画を延長した。これに伴い、研究成果とりまとめに使用予定の予算を繰り越す等、予算支出計画をみなしたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
新データの整備とこれを取り入れた計測と分析を更に進め、最終研究成果ととりまとめとと学会・研究会等における報告、論文投稿等に充当する予定である。
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