因果性の有無だけでなくその強さと方向に加え第三系列による歪みを考慮できる偏因果性測度について,具体的に推定可能なアルゴリズムの開発を行い,モンテカルロ・シミュレーションにより,サンプルサイズが推定結果に与える影響を分析した.また,アメリカのマクロ経済・金融データを用いて経済成長率の予測可能性についての検証を行い,1980年代半ばを境に因果関係が変化していることを確認した.また,日本の財政データについて,長期均衡関係における非対称を考慮した非定常・非線形モデルにより,内閣支持率から支出変数への,社会保障費については,内閣支持率との間に双方向のGranger因果性が存在することが確認された.
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