ブレトンウッズ体制が崩壊した1971年8月以降、日本は度重なる円高を経験し、それを抑える目的で為替介入を行ってきた。1991年4月以降の介入額は公開されており、このデータを用いた研究がこれまで活発に行われてきている。しかし、1971年8月から1991年3月に関しては、介入データは公開されていない。本研究の貢献は以下2点である。第一に、1971年8月から1991年3月について、新たに介入額を推定した。そして、我々の推定方法が優れていることを、1991年4月以降の公開データを用いることで検証した。第二に、介入利益を計算する方法を考案し、新しく整備されたデータを用いて、介入利益を推定した。
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