研究課題/領域番号 |
26380282
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
曽 道智 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60284345)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 空間経済学 / 自国市場効果 / Outsourcing / 資源都市 / 資源の呪い / Hotellingモデル |
研究実績の概要 |
1 自国市場効果の理論・実証成果の乖離を解明する。産業集積や貿易パターンを示す自国市場効果(Home Market Effect, HME) は新貿易理論の重要な概念である。文献では少なくとも3つの定義が用いられている。2カ国からなる空間において、(1) 大国の労働賃金がより高い(賃金による定義); (2) 大国には人口の比率分以上に工業財を生産する企業が集まる(企業シェアによる定義); (3) 大国は差別化財の純輸出国である(貿易貿易パターンによる定義)。平成26年度に理論的にこれらの概念の同値性質を検証し、実証分析の結果との関連を調べた。成果はProceedings of Rijeka Faculty of Economics: Journal of Economics and Bussinesに掲載された。 2 グローバル化時代に、財の輸送費の逓減とともに、通信コストも低減し、企業の生産を部分的に海外で行うOursourcingやoffshoringがより簡単にできる。労働コストが内生的に決まるモデルを導入し、グローバル時代にoutsourcingの変化パターンを明らかにした。その成果はThe North American Journal of Economics and Financeに掲載された。 3 グローバル化時代に、資源の運送費も逓減し、資源都市の優越性が失われる。北海道夕張市のような資源都市はどうしたら振興できるかを探った。その成果はResource and Energy Economicsに掲載された。 4 失業や最低賃金は多くの先進国で見られる政策であるが、一般均衡の枠組みでの分析は困難である。そのため、財の生産を考慮して商業施設の立地を考える従来のHotellingモデルを再構築し、最低賃金政策による労働者の厚生の分析を行った。成果はMathematical Social Sciencesに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は2010-2013年度に行った基盤研究(B) 22330073「空間経済学の動学化による都市地域の持続可能な発展の検討」を継承しているので、1年目でも成果を出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
このままで推進したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度に多くの国際学会に参加するための旅費が必要である。
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次年度使用額の使用計画 |
次の4つの国際学会に出席し、研究成果を発表する。 1. 2015年4月ロシアで開催される International Academic Conference on Economic and Social Development; 2. 2015年6月アメリカで開催される90th Annual Conference of WEAI; 3.2015年7月中国で開催される5th Asian Regional Science Seminar; 4. 2015年11月アメリカで開催される 62nd Annual North American Meetings of the Regional Science Association International
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