研究実績の概要 |
サービス貿易を直接的指標(サービス収支)と間接的指標(財に体化されたサービスの付加価値)から計測した.具体的には国際収支統計と各種国際産業連関表の特徴を整理した(下記は,それぞれに相手国の範囲,産業の種類,データ期間が異なるため,適宜併用した統計である.) 【国際収支統計(サービス収支)】は、1996年以降のデータを利用した(同年より国別・地域別統計の公表が開始されている).これは、14サービス産業,32か国・12地域,をカバーするが、2014年1月以降,計上項目の拡充や区分の変更がなされる為,時系列データの補正を行う必要がある. 【国際産業連関表】については、主に5種類の統計を用いた.具体的には(1)UNCTAD-Eora:(187か国,25~500業種,1990-2010年),(2)ICIO (OECD/WTO):(40か国,18業種,2005・2008・2009年),(3)AIIO(IDE-JETRO):(10か国,76業種,1975~2005年までの5年毎),(4)GTAP(USITC):(129か国,57業種,2004・2007年),(5)WIOD(EU):(40か国,35業種,1995~2009年)である. 作業手順としてはまず,アジア産業連関表(AIIO)を用いたが,10か国(アジア9か国と米国)の取引関係であるため,世界産業連関表(WIOD)を合わせて活用した.Johnson, Noguera(2012), Koopman et. al.(2013)の手法を援用し,更にサービス産業の産出投入の峻別を行い,また,必要に応じて(例えば業種分類や職業分類の)対応表作成をおこなった. 当初予定したとおり、初年度である平成26年はデータの構築を主として行っている.
|
今後の研究の推進方策 |
サービス貿易の業種別活動内訳を詳細にする.特に,国際産業連関(マクロ情報)に加えて,企業別情報(ミクロ情報)からも具体化する.利用予定の統計個票の申請を行うとともに,取得次第,その特徴を整理する.(1)海外事業活動基本調査 (海外に子会社を所有する親企業とその在外法人)では,日本資本による,外国むけの新規投資や財・サービス提供の状態を産業別に整理する.(2)企業活動基本調査では,日本で活動する一定規模以上の企業における,輸出・輸入(産業別),直接投資,海外展開状況を産業別にまとめる.(3)外資系企業動向調査 (日本に子会社を所有する外国企業の在日法人)では,外国資本による,日本向けの新規投資や財・サービス提供の状態を産業別に整理する.
|