ラオス国立大学の国際コンファレンスにおいて、Agricultural Development and Sustainable Growth という基調講演を行った。ラオスの持続的発展のためには工業部門や第三次産業に労働力が流入する必要があるが、ラオスは農業に比較優位があることを考えると、国内需要を充足するだけの農業生産が必要である。したがって、農業の生産性を上げて、余剰労働力を生み出して、その労働力をその他部門に移動する必要がある。生産性を上昇させるための一つの手段が契約栽培の活用であり、契約栽培をスムーズに行うための環境整備が必要である。「ラオスの経済発展と海外直接投資受入れ環境」を掲載し、海外直接投資を受け入れるときにラオスはどのような問題を抱えているかを検討した。ラオスが着実な発展を続けるためには資本増加、技術移転、雇用促進といった面で直接投資の流入が欠かせない。世界銀行のデータを使用して、外国所有企業の投資環境の評価を検討した。最も大きな障害は「適切に教育された労働力の不足」であり、海外直接投資流入の増加には教育の充実と労働市場の効率化が欠かせない。電力や税率に関しても障害が指摘されている。「ラオス北部における契約栽培と地方生活」を岡山商科大学の研究会で発表した。契約栽培の進展とともに、現金収入が増えて豊かになり、教育や保健も改善している。特に、果物、カボチャ、タバコ、サヤエンドウなどはコメの裏作として収穫するので好都合である。ウドムサイ県の村の調査では、土地の比較的よくない村で契約栽培により現金収入が急速に上昇していた。また現金収入が入ることにより新しい種や肥料を購入できてコメの収穫も増加しするという好循環が生まれていた。計量分析により契約栽培を行っていること、コメを売ることができることと土地の広さが現金収入を増やす重要なポイントとなっていることを示した。
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