研究課題/領域番号 |
26380300
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
水谷 淳 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (60388387)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | LCC / ビジネスモデル / 需給構造分析 / 国際研究者交流(英国) |
研究実績の概要 |
平成26年度は,ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアにおけるLCCのビジネスモデルの多様化に関する先行研究と需給構造分析モデルの構築に関する先行研究をレビューした.ビジネスモデルに関しては,LCCのビジネスモデルとネットワークキャリア(NC)のそれとがハイブリッド化する過程において,サービス差別化手段として,客室に2クラス制を導入するケース,プライマリー空港へ就航するケースが多くなっていることが分かった. さらに,オーストラリアのカンタス・ジェットスターグループとヴァージン・タイガーエアグループを取り上げて,昨年度までの研究で明らかとなった,親会社と子会社でのネットワーク戦略に加え,プライシング戦略についてケーススタディした.そして,当初LCCとしてオーストラリア国内航空市場に参入したヴァージンは,子会社LCCジェットスターの設立というカンタスの対抗措置を受けたため,ビジネスモデルをNC寄りに近づけて,自らはカンタスとの価格競争を選択し,その代わりにシンガポール航空系のLCCタイガーエアを買収して,ジェットスターと競争させており,結果として親会社同士・子会社同士での価格競争が発生していることを明らかにした. また,LCCと空港の関係に関する研究として,英国の空港における非航空系収入に対するLCC就航の影響について共同研究を開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実証分析に入るための,分析モデルの構築とデータ整理・加工に,予想以上に時間を要しているため.
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今後の研究の推進方策 |
LCCのビジネスモデルと需給構造の関係を分析するために,データ整備を進める一方,サービス属性を考慮した需要構造・供給構造分析のためのモデル構築を目指す.また,これまでの研究成果については,段階的に国内・国際学会で報告し,最終的に論文にまとめる.
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次年度使用額が生じた理由 |
PC購入を,次年度としたため. また,次年度に参加予定の国際学会(Thredbo14)がサンティアゴ(チリ)での開催となり,次年度の旅費が予定以上に必要となったため,今年度分を節約して次年度で使用することとした.
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次年度使用額の使用計画 |
国際学会(Air Transport Research SocietyとThredbo14)に参加するための旅費として使用する. データ分析用のPCを購入する.
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