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2015 年度 実施状況報告書

LCCにおけるビジネスモデルの多様化と適用市場の特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26380300
研究機関神戸大学

研究代表者

水谷 淳  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (60388387)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードLCC / ハイブリッド戦略 / 混雑空港 / 非航空系収入
研究実績の概要

LCCによるハイブリッド戦略の内,特に,プライマリー空港(混雑空港)への乗り入れの影響について研究を進め,その中で,イギリスの空港を対象にLCCの就航が空港の非航空系収入に与える影響という側面から,大阪商業大学の横見宗樹准教授,英国リーズ大学交通研究所のPhill Wheat上級研究員と共同研究を行った.空港の収入は,着陸料や駐機料といった航空系収入と小売店・レストラン・駐車場等の非航空系収入に分けられ,欧州の多くの空港では後者が半分以上を占めている.研究の結果,LCCが1便増加することによる空港の非航空系の増収(限界収入)は,FSC1便の増加による増収分の2/3程度にとどまることが分かった.関西空港でも一定の条件を満たせば,就航1年目は着陸料が実質無料となるように,多くの空港では,空港使用料を大きく割引してLCCを誘致し,代わりに非航空系の収入で運営費を賄おうとするケースが見られるが,今回の分析結果から,少なくともすでに混雑しているプライマリー空港は,FSCの代わりにLCCを就航させるインセンティブを持たないことが明らかとなった.この成果は,2015年6月に開催された日本交通学会関西部会(日本海運経済学会関西部会と共催)で「空港の非航空系収入とLCCの便数シェアの関係における実証分析:イギリスの空港を対象として」と題して,さらには,7月にシンガポール国立大学において開催された第19回世界航空研究学会と“The Impact of LCC on Non-Aeronautical Revenues in Airport: An Empirical Study of UK Airports”題して共同報告された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膨大なデータの整理に時間を予定以上の要しているため.

今後の研究の推進方策

混雑空港へのLCCの就航による影響について,非航空系収入への影響に加え,運賃水準への影響について研究を進めている.具体的には,羽田空港におけるLCC4社(SKY,ADO,SNA,SFJ)に対する優先的な発着枠配分が大手航空会社も含めた羽田発着便の運賃水準に与える影響,さらにはLCCと大手航空会社のコードシェアリングが運賃水準に与える影響を実証的に分析する.そして,研究成果を第20回世界航空研究学会で報告する予定である.

次年度使用額が生じた理由

購入予定のデータが未購入のため.

次年度使用額の使用計画

今年度,データを購入する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Leeds(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Leeds
  • [雑誌論文] The Impact of LCC on Non-Aeronautical Revenues in Airport: An Empirical Study of UK Airports2015

    • 著者名/発表者名
      Yokomi, M., P. Wheat and J. Mizutani
    • 雑誌名

      Proceedings in 19th World Conference of Air Transport Research Society

      巻: paper No.208 ページ: 1-20

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] The Impact of LCC on Non-Aeronautical Revenues in Airport: An Empirical Study of UK Airports2015

    • 著者名/発表者名
      Yokomi, M., P. Wheat and J. Mizutani
    • 学会等名
      Air Transport Research Society
    • 発表場所
      University of Singapore
    • 年月日
      2015-07-05
    • 国際学会
  • [学会発表] 空港の非航空系収入とLCCの便数シェアの関係における実証分析:イギリスの空港を対象として-2015

    • 著者名/発表者名
      横見宗樹・P.Wheat・水谷淳
    • 学会等名
      日本交通学会関西部会・日本海運経済学会関西部会共催
    • 発表場所
      中央電気倶楽部(大阪府・大阪市)
    • 年月日
      2015-06-05

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公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-02-03  

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