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2015 年度 実施状況報告書

特許権侵害に対する救済のあり方がイノベーションと特許出願行動に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 26380314
研究機関工学院大学

研究代表者

矢崎 敬人  工学院大学, 情報工学部, 准教授 (10345150)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード特許制度 / イノベーション / 差止請求権 / 損害賠償請求権
研究実績の概要

パテントトロール等,特許権者による権利行使がイノベーションを阻害している可能性がある事例や,新技術の開発に成功した企業が特許化せずに秘密として保持している事例について,引き続き各国の判例を含む書籍・資料を調査し,初年度調査結果と合わせ比較検討を行った.また,侵害が認められる条件と侵害に対する救済の制度についての各国の法令・判例の相違の検討を行った.
また,以上の検討を踏まえ,初年度に構築した特許権侵害に対する救済としての差止請求権と損害賠償請求権を分析する理論的枠組みを具体的なケースに当てはめた分析を進めた.リサーチツールのような単一の必須技術を開発するが生産を行わない技術開発者1社と潜在的侵害者1社があるケース,単一の必須技術の開発と製品生産を行う技術開発者1社と潜在的侵害者1社があるケース,代替技術がある工程イノベーションのケースについて,モデルを作り分析を進めている.モデルでは,特許は確立的特許として捉えたうえで,技術開発に成功した企業はその技術を特許化するか否かを選択するものとしており,研究開発,特許化/秘匿,技術ライセンス・標準形成,侵害/代替技術利用,生産を一貫した枠組みで捉え,各段階におけるインセンティブを捉える分析としている.差止請求権が認められている場合(現行制度の特許)と認められない場合の比較を行っており,この一環として,現行制度の特許と差止請求権を持たない新たな制度(ソフトIP)が併存する状況になると企業行動がどのように変化するかの分析を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

事例の調査,制度の国際間比較,理論的分析とも概ね想定どおり進捗しているが,研究成果の公刊に至っていないため.

今後の研究の推進方策

引き続き各国の制度についての調査,政策当局者や企業関係者に対するヒアリング調査を行う.また,理論的分析,データ分析についてのフィードバックを得る.
理論的分析については,現在進めている分析を完成させるとともに,製品生産も行う複数の企業が必須技術を開発して技術標準の形成を模索するケース,製品生産も行う複数の企業と研究開発の身を行う企業が必須技術を開発して技術標準を模索するケースも分析する.

次年度使用額が生じた理由

当初想定していた技術計算ソフトウェアの導入が遅れたため.

次年度使用額の使用計画

次年度に技術計算ソフトウェアを導入する.

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公開日: 2017-01-06  

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