研究課題/領域番号 |
26380317
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
林 光洋 中央大学, 経済学部, 教授 (80367672)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地域間(空間)格差 / 都市・農村間格差 / タイル指標 / エルバー式タイル指標 / 要因分解分析 / 支出格差と教育 |
研究実績の概要 |
2014年度は、インドネシアの家計調査データに基づき、Theil指標等を用いて、支出の空間的な格差を測定したり、地域間格差に影響を与える社会経済的要因の分析を行なったりした。その結果を "Expenditure Inequality in Indonesia, 2008-2010: A Spatial Decomposition Analysis and the Role of Education"という論文にまとめて投稿したところ、Asian Economic Journal, Vol. 28, No. 4, Dec. 2014に採択・掲載された。 2015年度は、フィリピンの家計調査データを用い、支出格差の分析を行なった。通常のTheil指標に加えて、maximum between-group inequalityの計算方法を用いて格差を計測した。これを"Education and Expenditure Inequality in the Philippines: Decomposition Analyses"という論文にまとめ、Indonesian Regional Science Association(IRSA)の国際大会で報告した。 この論文の概要は以下の通りである。1997年のフィリピンの格差は非常に大きく、それは都市部の中の格差、特にルソンの都市部の中の格差が大きく影響していた。都市・農村間の格差は、通常の計算方法だと目立たないが、Elbers方式で計算すると小さくはなかった。2006年には、都市部の中の格差、特にLuzonの都市部の中の格差が低下し、フィリピン全体の格差は縮小した。しかし、農村部では、特にVisayasやMindanaoでは、格差が着実に拡大した。都市・農村間の格差も、Elbers方式で計算すると、引き続き小さくはなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フィリピンの研究については、もう少し新しい家計調査データを使用することができたら、ジャーナル紙(査読付き)に投稿可能な水準のペーパーに仕上げることができたと考えられる。インドの研究も、データを取得するところまでしか到達せず、本格的な分析までは至らなかった。このような理由から、当初の予定よりも進捗が遅れている。なお、インドネシアについては、すでに計画した部分までおおむね到達している。
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今後の研究の推進方策 |
フィリピンの地域間格差のペーパーについては、新しい家計調査データの入手に努め、それを用いて格差分析を再度行ない、修正版をジャーナル誌へ投稿する予定である。インドについては、すでに収集したデータを使用して、空間的な格差の計算を本格的に行ない、論文を執筆し、学会で報告する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
インド、フィリピン、オーストラリアを訪問し、現地調査、共同研究の打ち合わせ、学会発表等をする計画であったが、国内業務が多忙で実施できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度にはインド、フィリピン、インドネシア、オーストラリアのうちの複数国を訪問し、現地調査、共同研究の打ち合わせ、学会発表等を実施する。
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