研究実績の概要 |
本研究では、インドネシア、フィリピン、インドを対象にし、全国規模で時系列の家計調査原データに基づき、定量的手法を用いて、支出の空間的な格差の分析を試みた。特に、都市・農村間格差と都市・農村内格差の説明力やそれに影響を与えている要因を明らかにすることを目指した。 インドネシアの研究は、同国の家計調査データ(SUSENAS)に基づき、Theil指標等を用いて、家計支出の空間的な格差を測定したり、地域間格差に影響を与える社会経済的要因の分析を行なったりした。その結果は、"Expenditure Inequality in Indonesia, 2008-2010: A Spatial Decomposition Analysis and the Role of Education"という論文にまとめ、ジャーナル誌、Asian Economic Journalに投稿し、採択・掲載された(2014年)。 フィリピンの研究は、家計調査データ(FIES)を使用して、空間的な支出格差の分析を行い、"Education and Expenditure Inequality in the Philippines: Decomposition Analysis"という論文にまとめ、Indonesian Regional Science Association(IRSA)の国際学会で報告した(2015年)。 インドの研究は、家計調査データ(NSS)を利用して、都市・農村内、都市・農村間の空間的な支出格差を計測し、その要因を分析した。2017年には「インドにおける家計消費支出の地域格差:その実態と要因」という論文を発表し、2018年には"Spatial Dimensions of Expenditure Inequality in India"(K. Kalirajanと共著)という論文を刊行予定である。
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