本研究プロジェクトは、全国規模で時系列の家計調査データに基づき数量的な分析手法を用いて、空間的(特に都市・農村に注目)側面からインドネシア、フィリピン、インド3か国の世帯支出格差の分析を試みた。この研究の結果は、1)都市・農村内のほうが都市・農村間よりも格差が大きいこと、2)しかし、タイル指標の通常の分解方法を用いた場合よりも、実際には、都市・農村間の格差は大きいこと、3)学歴の差が家計消費支出の都市・農村内(特に都市内)格差の要因に、また、学歴の差、就業部門の違い、身分の差(インドのカースト等)が消費支出の都市・農村間格差の要因になっていること、という3か国にほぼ共通する傾向を明らかにした。
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