研究課題/領域番号 |
26380323
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研究機関 | 二松學舍大學 |
研究代表者 |
咲川 可央子 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 講師 (60634350)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際経済学 / 一物一価の法則 / 市場統合 / メキシコ / 価格原データ |
研究実績の概要 |
平成26年度は、「メキシコ一国内35都市間の価格均一化についての実証分析」をテーマに、「国際経済学の理論的進展のフォロー」「既存研究のサーベイ」「データの整備」「現地調査と海外の専門家との意見交換」を進めた。 「国際経済学の理論的進展のフォロー」については、市場統合の概念及び市場統合と一物一価の法則の関係性についての理解を深めた。既存研究では、市場統合の定義や市場統合と一物一価の法則の関係性が明白ではなく、一物一価の法則が成立する時に市場統合があると結論づけることが多かった。こうした一連の研究の傾向に警鐘を鳴らす論文をサーベイし、研究の理論的土台を強化した。 「既存研究のサーベイ」については、上記に関する論文に加え、各国の市場統合や一物一価の法則についての実証論文をサーベイし、既存研究において不十分な点をまとめた。 「データの整備」については、商品別の非常に詳細な価格データの整備をした。腐敗する財、腐敗しない財、サービス財に分類し、分析に適切な10-20財を取り上げて分析可能な水準まで整備した。 「現地調査と海外の専門家との意見交換」については、メキシコ2都市を訪問し、現地の専門家から貴重な資料や意見をもらった。特に、メキシコ大学院大学(El Colegio de Mexico)の教授との意見交換は有意義であった。上記「国際経済学の理論的フォロー」について示唆を受けた他、メキシコの農村を対象とした貴重な関連文献を紹介された。また、本研究は、日本では入手の難しいメキシコの詳細な原価格データを用いる点に特色がある。メキシコで詳細な価格データを収集及び公表する公的機関であるメキシコ中央銀行と国立統計地理情院を訪問し、専門家と意見交換をしたことは、今後本研究を進める上で必ず役立つと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調に進展している。特に、課題であった「国際経済学の理論的進展のフォロー」において理論的土台が強化されたことは大きな進展であった。「計量分析」「国内の専門家との意見交換」「実証分析の結果を踏まえた理論的考察」「論文の作成と発表」についての研究の大まかな道筋はついており、引き続き速やかに研究を進める。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は「計量分析」「国内の専門家との意見交換」「実証分析の結果を踏まえた理論的考察」「論文の作成と発表」を進める計画である。特に、論文の発表については、平成27年度は国内の研究会及び学会で発表した上で、平成28年度に海外の研究会及び学会で発表する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
「次年度使用額(B-A)」は小額である。英語で論文を作成する際の校正費用を予定したが、翌年度以降に繰り越された。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度分として請求した助成金に不足が生じた場合に随時使用する計画である。
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