研究実績の概要 |
最終年度である平成28年度は、研究成果の全体的総括を中心として、1.渡米調査・研究交流(9月7日-24日)、2.「トランプ現象」の分析、3.地方再生問題の比較研究の3点を重点的に研究した。 1.では、(1)研究主題に関する米専門研究者―Michel Ash, Robert Polin(Univ. of Mass., Amherst), David Harvey(City Univ. of NY), Anwar Shaikh (New School for Social Science, NY), Minqi Li (Univ. of Utah), Michel Reich・Steven Vogel (Univ. of CA, Berkley)など計16名―との意見交換と、(2)New York、Salt Lake(Shale oil開発問題も調査)、San Francisco(Silicon Valley含む)、およびKevin Stein(CRC)、Jesus Fernandez (UC Davis)等の協力でNorth Richmond(CA)を中心に、金融危機後の都市状況の現状を調査した。 2.では、渡米調査の知見をあわせた分析を通じ、オバマ政権8年間の米経済の回復過程の特質と問題点を集約的に示すことを解明した。 3.では、地方再生問題の比較研究のため、群馬県利根・沼田地区の実態調査を進めた。 本研究全体を通じ、金融危機・経済危機からの米経済の回復過程は、主に財政・金融的手段(量的緩和)を通じて「グローバル成長連関」を維持しつつも、国内成長連関の再建が大きな課題であり、トランプ政権が当面する最大の問題であることが明らかとなった。本研究全体の研究成果を織り込み、『現代経済の解読(第3版)』(共著)と『グローバル金融危機後の世界経済の変貌』(編著)の刊行を進めた。
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