研究課題/領域番号 |
26380342
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
松岡 憲司 龍谷大学, 経済学部, 教授 (40141668)
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研究分担者 |
佐々木 淳 龍谷大学, 経済学部, 教授 (10244766)
山西 万三 龍谷大学, 経営学部, 教授 (20619225)
辻田 素子 龍谷大学, 経済学部, 教授 (40350920)
木下 信 龍谷大学, 経済学部, 講師 (60396265)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 老舗 / イノベーション / 京都 / 伝統 / 革新 / ファミリービジネス |
研究実績の概要 |
これまでの調査研究にもとづき、最終年度の研究成果として、京都府下の老舗企業を対象に行ったアンケート調査によって得られた366社のデータにもとづいて、イノベーション活動を決定する要因についての計量分析を行った。また得られた回答の中から、現経営者が創業家の一員である企業をファミリービジネスとして、全サンプルの中からファミリービジネス325社のみを抽出して、同じようにイノベーション活動を決定する要因を分析した。計測の結果、どちらのサンプルの場合も、老舗企業におけるイノベーションの決定要因として、先代までの経営者のイノベーションに対する姿勢がもっとも大きな影響を及ぼしていることがわかった。先代までの経営者が変革に積極的な場合には現経営者も積極で、逆に先代までが変革に消極的であるときには現経営者も消極的であるということになる。この結果にもとづき京都の老舗企業の先代までの経営者と現経営者の変革に対する姿勢を分類すると、京都では先代までも積極的/当代も積極的という企業の比率は、先代まで消極的/当代も消極的という比率よりも低いことがわかった。これは東京の老舗に関する調査結果とは対照的な結果である。このことから、京都の老舗企業は変革に対して、伝統を重視するという姿勢の企業が多いのではないかという結論にいたった。 ファミリービジネスについてのみの結果は、2017年10月14日にフランスのINSEADで開催されたFamilyEnterprise Dayという国際会議において“Empirical Study of Innovation Factors in Old Establishment Family Companies in Kyoto, Japan”という題で報告した。また全サンプルによる結果は、2017年11月4日に沖縄で開催された経済政策学会国際会議において、報告した。
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