研究実績の概要 |
従来の家族経済学における家計内公共財の供給量は家計内構成員間のナッシュ均衡(非協力ゲーム均衡)により決定されることが示されている。その場合、家計内の所得再分配は公共財の均衡供給量を変化させないことが知られている(Warrの中立性命題、Warr (1983, Letters))。 本年度では、①公共財の供給量が従来のモデルと同じナッシュ均衡量であっても、2財以上の公共財を想定した場合と、異質な個人を導入することによって、従来の研究結果とは異なる資源配分結果がえられることを明らかにした。また、②公共財供給におけるWarrの中立命題が成立しないことについても明らかにすることができた。 研究結果は、"Should income inequality be praised? Multiple public goods provision, income distribution and social welfare”としてまとめ、Association of Public Economic Theory, International Insitutie of Public Fincnceそれぞれの学会、ソウル大学でのセミナーで発表した。
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