研究実績の概要 |
平成26 年度は、人々の医療・福祉サービスの配分に対する考え方、格差・貧困の捉え方がどのような社会経済的要因と関連しているかについての指針を得るため、先行研究を丹念にサーベイし、本研究で実施する経済実験ならびにアンケート調査の設計を進めてきた。医療・福祉政策に関わる専門的な情報を得るため、医療福祉関係者や自治体関係者へのヒアリングも並行して行った。論文としては、下記の論文を公刊した。 浦川邦夫・齋藤隆志(2015)「ソーシャル・キャピタルが医療費負担の評価に与える影響 ―東京23区・政令指定都市居住者へのアンケート調査に基づく実証分析―」『経済学研究』81巻4号, 、pp.163-179;浦川邦夫・児玉聡(2015)「健康の公平性と倫理」 川上憲人・橋本英樹・近藤尚己編『社会と健康―健康格差解消に向けた統合科学的アプローチ』東京大学出版会;石井加代子・浦川邦夫(2015)「生活時間を考慮した貧困分析」『三田商学研究』57巻4号, pp.103-127;浦川邦夫(2014)「貧困線の設定と貧困の測定」『貧困研究』13号, pp.4-16. Takashi Oshio and Kunio Urakawa (2014) “The association between perceived income inequality and subjective well-being: Evidence from a social survey in Japan," Social Indicators Research, Vol.116, No.3, pp.755-770.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人々の医療・福祉サービスの配分に対する考え方、格差・貧困の捉え方がどのような社会経済的要因と関連しているかについての指針を得るため、Daniels et al.(2000)、Traub et al.(2005, 2009)、Daniels and Sabin(2008)、Amiel et al. (2009, 2012)、齋藤他(2012)などの先行研究を幅広くサーベイし、経済実験やアンケート調査を実行する上で必要な設問項目を決定する作業を行ってきた。医療資源の配分の問題については、生命や健康の質を評価するための様々な手法に注目し、論文「健康の公平性と倫理」『社会と健康』(共著)にまとめた。
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