研究課題/領域番号 |
26380368
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
牧 厚志 東京国際大学, 経済学部, 教授 (20051906)
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研究分担者 |
西川 理恵子 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (00180597)
六車 明 慶應義塾大学, 法務研究科, 教授 (60317287)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 政府負債 / 現代マクロ経済学 / 最高裁判例 |
研究実績の概要 |
本研究では、1000兆円を超える政府負債に大きく関連する「政府調達と税金(公金)」という問題に焦点を当て、2つの最高裁判例を使いながらその解決方法に言及した。政府調達の原資は公金であり、現在の政府負債と大きな関連がある。 分析する資料は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反被告事件」(平成16年(あ)第1478号、平成17年11月21日第二小法廷決定)、刑集59巻9号、1597-1818頁と「背任、事後収賄、加重収賄被告事件」(平成17年(あ)第246号、平成21年3月16日第三小法廷決定)、刑集63巻3号、81-264頁を使った。 1000兆円を超える政府負債に関連する「政府調達と税金(公金)」という問題について、判例を検討することにより、いくつかの問題点が明らかになった。政策担当者の知識として、政策担当者は赤字財政と政府負債を総合的に考えるには、現代マクロ経済学ばかりでなく財政学、経済学史あるいは英米法の知識が必要であるということである。そして日本において急務の政策は「財政規律」を強めることである。 また判例から観察できることは、入札制度による落札事業の中には公金の払い過ぎがあったという事実である。談合事件では15%の公金の過剰支払があったのである。将来的には、必要な政府調達もあるが、監査を充実することにより判例で示された15%にも及ぶ公金の払い過ぎは避ける仕組みを強化することである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析の一次資料として最高裁判所判例集を使っているが、法学者のアドバイスのもと、原稿の素案を経済学者が作ることによって、判例の検討・評価をしている。その後、素案をたたき台にしながら原稿を改良してきた。そのために時間を必要ととするが、論文を公表するペースも比較的順調である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度以降についても、平成27年に引き続き最高裁判所判例に検討を加える。それと同時に、今まで蓄積した共同研究の結果を総合的に評価することも考えている。
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