本研究では、2013年以降に本研究者が日本とフランスで実施した4つのアンケート調査に基づき、日本とフランスの仕事と家庭生活の両立の実態を解明するとともに日本のカップルにおける夫の転勤(転居を伴う人事異動)が女性の就労やカップルの家庭生活にどのような影響があるのか等を分析した。 分析結果から、夫に転勤のない女性が正規雇用を継続している傾向が高いが、一方で彼女達自身は転勤のある働き方をしている傾向が強いことが明らかになった。また夫の転勤によってライフステージを追うごとに家族が分離する傾向があり、そのため夫婦の性別役割分業が強化されていくことも明らかになった。
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