本研究では学校教育と震災が賃金分布に与える影響を実証的に分析した。 学校教育の影響について得られた結果は、賃金分布の低分位よりも高分位において学校教育の影響が大きいということである。 1995年の阪神淡路大震災が17年後の賃金分布に与えた影響については次の通りである。第1に、Blinder-Oaxaca分解によると、男性労働者の平均賃金に対して震災は負の影響を与えていた。第2に、DFL分解によると、震災は中賃金男性の賃金を引き下げていた。第3に、MMM分解によると、震災は中賃金男性の賃金を5.0~8.6%引き下げ、高賃金女性の賃金を8.3~13.8%引き下げた。
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