研究課題
これまでの理論及び実証分析の結果を踏まえ,主として理論的な成果をワーキング・パーペーの形でまとめた.このワーキング・パーペーは富山大学リポジトリ(ToRepo)に登録され,JAIRO(http://jairo.nii.ac.jp/)の「よく利用されるコンテンツ」(2018年4月23日時点)で1位となっている.この論文の主要な政策的含意は次の通りである.コスト・フロンティア上の単一期間EGLIに異時点間規則的連鎖が存在する場合,長期的視点から産業組織政策の必要性を判断しなければならない.また,こうした異時点間規則的連鎖が上昇傾向(競争度の下落傾向)を示し,それが主として単一期間市場集中度(ハーフィンダール指数)の異時点間規則的連鎖の上昇傾向によってもたらされているのであれば,長期的な観点から独占禁止政策は正当化される.しかしながら,単一期間動学的費用効率性もしくは計画された単一期間最適金融財の異時点間規則的連鎖からもたらされているのであれば,長期的には独占禁止政策は市場に不必要な歪みをもたらす可能性があり,それ以外の政策が望ましい.例えば,単一期間動学的費用効率性の異時点間規則的連鎖の明確な下落傾向によってもたらされているのであれば,長期的な効率性改善政策としての産業組織政策が必要とされる.逆に,上昇傾向によってもたらされているのであれば,長期的な費用効率性の改善が長期的な競争促進に結びつくような新たな産業組織政策が必要とされる.あるいは,単一期間最適金融財の異時点間規則的連鎖の明確な下落傾向によってもたらされているのであれば,長期的な成長促進政策としての産業組織政策が必要とされる.逆に,上昇傾向によってもたらされているのであれば,長期的な成長が長期的な競争促進に結びつくような新たな産業組織政策が必要とされる.
上述のワーキング・パーペーは富山大学リポジトリ(ToRepo)に登録され,JAIRO(Japanese Institutional Repositories Online,http://jairo.nii.ac.jp/)の「よく利用されるコンテンツ」(2018年4月24日時点)で1位となっている.
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Working Paper, No.313, 2018.03, Faculty of economics, university of toyama
巻: 313 ページ: 1-102
10.15099/00018350
http://doi.org/10.15099/00018350
http://jairo.nii.ac.jp/0053/00015816