本研究は,Ito et. al (2014) で提案された非ベイズ時変計量経済モデルにもとづいた分析の枠組みを用いて,外国為替市場における金利平価に関する未解決問題の1つである先物プレミアムパズル (FPP) が生じる原因を解明することを目的とした.具体的には,非ベイズ時変ベクトル誤差修正モデルを開発し,同モデルに世界各国の外国為替市場における為替レートデータを適用することで,各国の為替レート間の共変関係がどのような時変構造を持つかを検証した.分析の結果,過去四半世紀において外国為替市場の共変関係が時間を通じて変化しており,そうした変動がFPPを生じさせる一因となっていることが解明された.
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