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2015 年度 実施状況報告書

ネットワーク分析による日本企業の海外進出と生産性分析

研究課題

研究課題/領域番号 26380400
研究機関帝京大学

研究代表者

比佐 優子  帝京大学, 経済学部, 准教授 (50456290)

研究分担者 奥田 英信  一橋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (00233461)
比佐 章一  神奈川大学, 経済学部, 准教授 (20345440)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードネットワーク / 海外進出
研究実績の概要

企業間の取引ネットワークの構造を明らかにするとともに、日本企業の海外進出と関係について分析を行った。この成果は、日本経済学会2015年秋季大会で「企業間ネットワークと日本企業の海外進出」として発表をした。
分析において、海外進出している企業は、そうでない企業よりも、売上規模が大きく、また労働生産性も高い傾向にあることがわかった。また企業のネットワーク構造を表す意味で重要な、各企業の中心性に関する変数として、取引企業数をあらわす次数をはじめ、近接中心性、媒介中心性、結合点などの変数を観察したところ、海外進出をする企業ほど、これらの変数の値が大きくなる傾向にあることが明らかにあった。さらに企業の海外進出の決定要因について、回帰分析による分析を行った結果、取引ネットワークにおいて中心的な役割を果たす企業ほど、海外進出をより積極的に行っている傾向が観測された。しかもその傾向は、製造業のみならず、非製造業でも同様の傾向がみられ、ネットワーク構造が海外進出の意思決定に何らかの影響を与えていることが明らかになった。
また企業の海外からの撤退と企業のネットワーク構造に関する関係を含めた成果を、神奈川大学経済貿易研究所2016年第2巻「企業間ネットワーの中心性と企業の海外進出・撤退」論文として報告した。この論文では新たに撤退に関する分析も行っているが、ネットワークの構造ないし中心性が、企業の撤退行動に与える影響は、使用する変数によってその効果が異なっており、明確な結論は見いだせなかった。これは撤退については、企業の取引にネットワークにおいて、どのような要因が重要であるか更なる検証が必要であることがわかった。


現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データの加工もほぼ終了し、企業のミクロ的行動の分析へと入っており、今後の分析へとつながる状況となっている。

今後の研究の推進方策

新たな取引データを入手するとともに、海外進出が企業の取引ネットワークに与える影響も分析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究を進めていいく過程で、新たなデータを入手する必要があることが判明した。しかしながら、その金額の見積もりが不確定であったことや、業者との金額の折衝に時間がかかった。

次年度使用額の使用計画

新たなデータ購入に使用予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 企業間ネットワークの中心性と日本企業の海外進出・撤退2016

    • 著者名/発表者名
      比佐優子、比佐章一、奥田英信
    • 雑誌名

      経済貿易研究

      巻: 42 ページ: 33-44

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 企業間ネットワークと日本企業の海外進出2015

    • 著者名/発表者名
      比佐章一
    • 学会等名
      日本経済学会秋季大会
    • 発表場所
      上智大学四谷キャンパス(東京都・東京都千代田区紀尾井町)
    • 年月日
      2015-10-10 – 2015-10-11

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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