研究課題/領域番号 |
26380403
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
宮越 龍義 法政大学, 理工学部, 教授 (60166139)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ネットワーク理論 / ノード / エッジ / 動学的相関GARCHモデル / アジア金融市場 |
研究実績の概要 |
(i)プログラム・パッケージ(RATSなど) によって、動学的相関GARCHモデルを計算するプログラムを作成した。 (ii) Engle(2002)による動学的相関GARCHモデルを使ってネットワーク理論のノード(各国金融市場)とエッジ(市場間の相関係数)を推定する。各国の株価収益率を変数とするので多変量GARCHを前提にする。これにより、アジア債券市場間の動学的相関係数であるエッジを推定した。また、このエッジに、ノードとなるリスクすなわち国債格付けをウェイト付けして、コストを計算し、アジア金融市場のネットワーク構造の現状認識をした。その際、S&Pやムーディズの国債格付けデータを過去にさかのぼり収集しウエイト付けをした。さらに、Miniu&Reyes(2013,J.of Financial Stability)のようにエッジの長さを貸付金額として現状認識をするためのデータをも一部収集できた。 (iii)これらの研究成果を論文として取りまとめ、その一部は「Bond Market Integration in East Asia:A Multivariate GARCH with Dynamic Conditional Correlations Approach」論文として2014年6月20-22, Asian Meeting of Econometric Society (Taipei,Taiwan)にて、さらには、2014年10月11-12日、日本経済学会(福岡、西南学院大学)にて報告した。また、関連した論文「ODA and Public Good Input: Indochinese Peninsula」を2014年7月11-12日,Asia-Pacific Economic Association(Bangkok, Thailand)にて報告した。他の数本の関連論文も学会報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エッジの長さを相関係数で測るのが我々の方法であり、それ以外に、Miniu&Reyes(2013,J.of Financial Stability)のようにエッジの長さを貸付金額で測る方法もある。後者の測定方法に必要なデータは十分収集できていないが、我々の測定方法に必要なデータは収集でき、しかも、計算済みなので、このように評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の計画に従い、26年度の動学的相関GARCHモデルの不備を訂正して再計算する。続いて、ネットワーク理論の理解を深め、最短経路問題、ハミルトン閉路問題、最小全域木問題などの基本的問題を、金融変数に置き換えモデルを構築して、解を求めるアルゴリズムを考案して、プログラミングする。そして、最小コストとなる経路を計算する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品の老朽化が著しく進んでいないことから今年度は買い替えを控えたため、また、謝金・人件費・英文校閲費を使用せず自分自身で作業を行ったため、経費を節約することができた。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度控えた物品の買い替えを次年度に予定している。また、自分自身で行った作業等を今年度は他者へ依頼し経費を有効活用することで、自身の研究時間を確保し、研究を一層深化させたい。
|