2016年度は、「東日本大震災、金融知識と家計の地震保険に関する意識調査」と題する調査で、家計向けアンケートを実施することができた。回答者、世帯主の属性(就業先、学歴など)、家族構成、資産状況、住居の形態、耐震性・耐震補強の有無、地震保険の加入状況を明らかにすることができた。特に、新しいのは、独自に設計したアンケート調査でないと明らかにすることはできない、隣の住居との距離、住宅ローンの有無、回答者の曖昧性の回避、回答者の金融知識について尋ねている点であろう。現在は、上記のアンケート調査で得られたデータをもとに、地震保険の加入に影響を与える要因を明らかにしようと、分析を進めている。また、2016年度は、家計と保険、地震保険に関する論文として、下記の4本を公刊することができた。 1.家森信善・浅井義裕 (2016) 「自然災害ショックと中小企業のリスクマネジメント─東日本大震災の経験をもとにして─」 第7章 pp.163-189 小川光(編) 『グローバル化とショック波及の経済学』 有斐閣。 2.浅井義裕(2016) 「大学生の金融リテラシーと金融教育」 『ゆうちょ資産研究-研究助成論文集-』第23号 pp.1-28. 3.浅井義裕 (2017) 「日本の大学生の保険知識の水準と決定要因」 『生命保険論集』 第199号 保険教育特別号 pp.75-102。 4.浅井義裕 (2017) 「金融教育は有効なのか?‐日本の大学生を対象とした一考察‐」『生活経済学研究』 2017年9月公刊予定。
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