最終年度は、論文「オープン・イノベーションとCVC投資」を刊行、さらにスタンフォード大学でのセミナー発表及び講演の機会があり、それぞれ、"Can Large Corporations be One of Local Capabilities in the Start-up Ecosystem?" "Capabilities and Strategic Returns: CVCs in Japan Challenges and Future"のタイトルで英語で研究成果を発信した。最終年度になり、上記スタンフォード大学との連携に加えて、ドイツのベルリン自由大学の研究者との共同研究も進みはじめ、国際共同研究の展望が開けてきた。ベルリン自由大学とは、ドイツの大企業のCVC投資、ドイツの都市型エコシステムの中で大企業スタートアップ企業の関係性、等々の国際共同研究が進んできた。更に、本研究費を使い整備してきた内部資本市場のデータをもとに、日本企業のイノベーション度を測るデータとのマチングをはかる共同研究がが今年度よりスタートしている。また、一般向けの研究成果発信の機会も与えられ、日経産業新聞本紙に、「事業会社のCVC投資」と題して、2016年6月まで12回の連載を行った。(http://hibara-wbs.com/category/media/nikkei-sangyo/の樋原研究室サイトから日経産業新聞掲載の拙稿がご覧いただける。) 研究期間全体を通じて、データの整備、及び日本語での研究発信は、本研究期間内で既にある程度の成果を生んだと言えるが、研究期間後半にさしかかり国際共同研究の可能性が急速に高まってきた。本研究費が企図した研究課題がユニバーサルであることが確認されつつあり、国際共同研究を次の段階に進めるために新たな研究費の獲得を早急に行いたいと考えている。
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