本研究課題において得られた成果は以下のとおりである。(1) 滑らかな曖昧性モデルの双対定理を導出し、経済主体の選好が1次信念と2次信念の複合分布の下での効用の期待値で表現できることを証明した。(2) (1)の定理を基に曖昧性下での経済均衡での保険料計算原理を導出した。(3) (1)の定理を基に経済均衡での状態価格密度を導出し、資本資産価格モデル(CAPM)を曖昧性下に拡張した。(4) ファントム意思決定モデルにおいて、ファントム回避の定義を新たに行い、意思決定者がよりファントム回避であることの条件を導いた。その条件に基づき資産選択問題においてファントム回避と資産需要の関係を示した。
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