研究課題/領域番号 |
26380415
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
阿萬 弘行 関西学院大学, 商学部, 教授 (70346906)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 株式市場 / 情報伝達 / 株価形成 / 市場流動性 |
研究実績の概要 |
研究課題の目的は、企業情報に対する、株価・リスク・流動性などの市場反応が、投資家タイプによってどのように相違しているか実証的に解明することである。この目的を達成するために、純粋な企業の公式ディスクロージャーに加味して、多様な情報源を用いた株式市場反応の分析を行った。 まず、これまで行ってきた企業関連のニュースがボラティリティに及ぼす影響に関して、基礎的な分析に加えて、結果の頑健性についての検証を行った。実証モデルに含まれない情報伝達経路による内生性を考慮するために、新聞休刊日の分析や前場・後場に分けた詳細な追加分析を進めてきた。また、市場流動性への効果を分析するために、ビッドアスクスプレッドとデプスを用いた研究を行った。ニュースとしては、ディスクロージャーと新聞メディアを用いている。スプレッドで見た場合、短期的な効果としては、情報非対称性の拡大という結果が見られた。デプスに対しては、投資家の認知度向上と整合的な形で売買注文金額の増加が見られた。これは、情報タイプ別の効果の相違を明らかにできた点で重要性の高い発見である。 さらに、一般投資家を含む幅広いタイプの投資家層への情報提供を分析するために、テレビ放送データを用いた研究を発展させた。企業ディスクロージャーや経済記事報道よりも、広範囲の視聴者を対象としているテレビ放送の分析により、多様な投資家タイプへの影響を明らかにするという研究目的達成に有益である。また、追加的に、テレビ広告による市場反応への影響に関して研究に着手している。この分野における先行研究では、テレビ報道や広告効果について、比較的未解明の分野であるため学術上の意義は高い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多様な情報源を活用した市場反応分析という目的に照らして、今年度は、企業ディスクロージャーに加えて新聞報道、テレビ報道、企業広告などのバラエティに富んだ情報伝達経路による研究を進めることができたため、全体的には順調な進展と言える。 進捗した研究の公表の点からも、国内学会発表および海外発表、論文出版、論文投稿、セミナー発表を行い、着実な進展をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、既に原稿が完成段階にある論文について投稿から受理に至るように、より完成度を高める方向に改訂を重ねていく。また、年度後半に予定している海外出張の機会を有効に活用して、海外研究者との意見交換により研究の高度化を図っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
利用するデータベースについて現在利用可能なタイプのものを活用した分析を進めたため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用とした金額については、新たなデータベースの更新、アルバイト雇用によるデータベース整備などに充当する。
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