研究課題
本研究の目的は、ワイマール期ドイツの失業救済政策の展開過程とその成果・限界とを都市レベルでの分析によって明らかにし、「社会国家」と「社会都市」の重層的関係性を解明することにある。すなわち、本研究は、国家だけではなく、都市自治体や民間組織などの多様な自立的組織によって構成される多層的な「福祉社会」形成のプロセスを解明し、「長い20世紀」の歴史を把握する上での都市史研究の意義を問いかけることを目指すものである。最終年度にあたる平成28年度の前半は、これまでの研究成果の中間報告にあたる論文「『社会国家』の形成と都市社会政策の展開―ワイマール体制成立前後のハンブルクにおける失業扶助を事例に―」『一橋経済学』第10巻第1号(2016年7月)で扱いきれなかった論点である、労働扶助(失業扶助の補完的制度)についての史料調査の準備を行った上で、8月にハンブルク国立図書館・州立公文書館において同問題にかかわる史料を収集した。平成28年度の後半は、この史料調査の整理を行いつつ、研究の最終的な取りまとめに従事した。その成果の一部は、平成29年1月にレーゲンスブルク大学において開催されたヨーロッパ史ワークショップ(Forschungskolloquium zur Europaeischen Geschichte)において、"Die Arbeitslosenunterstuetzung und Urban Governance: Hamburg in der Uebergangszeit von der Sozialstadt zum Sozialstaat"として報告し、多くの貴重なフィードバックを得ることができた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Satoshi BABA (Ed.), Economic History of the Cities and Housing (Monograph Series of the Socio-Economic History Society, Japan, Vol. 4)
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歴史と経済
巻: 第235号 ページ: 69-71
一橋経済学
巻: 第10巻第1号 ページ: 35-64
社会経済史学
巻: 第82巻第3号 ページ: 153-155