研究課題/領域番号 |
26380422
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
邉 英治 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (50432068)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 金融史 / 国際比較 / 経済史 / 経営史 / プルーデンス |
研究実績の概要 |
研究年度第4年目にあたる今年度は、本研究プロジェクトのとりまとめに向けて、追加的な一次史料および二次資料の収集を進めるとともにデータ分析を行い、それらをもとにして論文化及び著作化を進めた。 一次史料の収集と関わっては、イギリス・エディンバラのRBSアーカイブに出張し、金融エリートとして日本の銀行業の近代化に多大な影響を与えたアレクサンダー・シャンドが、晩年に(執行)役員を務めたパース銀行の各種委員会の日誌を中心に収集した。そして、総支配人から異例の昇格を果たしたシャンドをはじめとする執行役員陣が、どのように健全性を確保しつつ、日々の産業金融業務を遂行していたか、検討を進めた。 二次資料の収集と関わっては、財閥系銀行及び有力地方銀行の役員を務めた金融エリートの自伝・伝記類を中心に国立国会図書館などで収集し、日本の銀行業の近代化にどのような影響を及ぼしていたか、検討した。例えば、横浜銀行の伊原隆は、公共部門の金融と産業金融とのバランスをとることで、健全性と収益性の両立を図っていたことが明らかとなった。なお、これらの研究成果の一部は、共著書に採録される予定である。 国際比較の観点からは、金融エリートの役割の日本的特徴を明らかにするため、スウェーデン金融史を専門とされるウプサラ大学のヴェンシュラーク博士と打合せを行い、スウェーデンの金融エリートとの比較分析を進めた。なお、本研究成果の一部は、国際ジャーナル(Social Science Japan Journal)に投稿済みであり、査読の結果を待っている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトで予定していた金融エリート(大蔵省・日本銀行・財閥系銀行)の史料収集については、おおむね完了した。史料・データ分析についても、論文化や著作化にあたってベース的項目になると考えられる部分については、完了している。 研究成果の公表について、その成果の一部については、インパクトファクター付の国際ジャーナルへの投稿を終えたほか、成果の別の一部についても海外のジャーナルに公表される予定である。さらに、成果の他の部分についても国際共同研究者と協力して論文化を進めつつあり、また複数の海外の研究者と協力して、研究成果の著作化も進めている。もっとも、国際ジャーナルへ投稿済の論文については査読期間が長引いており、著作化についても、フランスとの比較などの部分でまだ課題が残されている。 以上を総合的に勘案して、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
国際ジャーナルへ投稿した論文の査読結果をふまえて、修正を加えて再投稿を行う。研究代表者のサバティカル期間を利用して、8~9月に本研究プロジェクトの国際共同研究者が集まっているスウェーデンのウプサラ大学を訪問し、論文再投稿に向けた原稿調整、もう1本の国際共同論文の調整・完成、国際共著の打ち合わせを行うなど、研究成果の公表に向けた作業を順次進めていく。年度の後半は、1本目の論文の再投稿、2本目の論文の国際ジャーナルへの投稿、国際共著の企画書提出などを行う予定である。そして、そのような作業の中で発生した追加的な資料収集やデータ分析についても、適宜実施したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際ジャーナルへ投稿した論文の査読期間が半年以上と予想外に長く、研究成果の公表と関わる生産性を考慮すると、海外出張による国際共同研究者との打合せを延期せざるをえなかった。 今後の使用計画だが、2018年8~9月に約6週間の海外出張の予定を確定させており、スウェーデン・ウプサラ大学での受入れ準備もほぼ完了している。滞在期間中に、論文再投稿、他の論文の調整・完成・投稿、及び国際共著の作業等を共同で進める予定である。それに伴って、海外出張費(旅費)や国際ジャーナル投稿に関わる諸費用の支出を計画している。
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