研究課題/領域番号 |
26380430
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
山本 長次 佐賀大学, 経済学部, 教授 (70264140)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 鐘紡 / 武藤山治 / 南米拓殖 / ブラジル / トメアス / アマゾン / 直接投資 / アグロフォレストリー |
研究実績の概要 |
本研究は、日本が国際経済関係を強化するべきBRICSのうち、ブラジルにおける経済発展や環境保全に対する日本人・日系人及び日系企業の貢献を、第二次世界大戦前から戦後にかけて、武藤山治ほかが経営した鐘淵紡績株式会社により対外直接投資がなされた事例を中心に、国際経営史研究として実証していくことで、今後の日伯経済関係の強化に資していくことを目的としている。 平成27年度は、明治末から昭和初期の鐘紡の経営者であった武藤山治が、海外移住事業に関心を持つ契機となった渡米体験にかかわる調査(ヤマサ醤油本社、全米日系人博物館)、さらに、武藤の蔵書の調査(旧武藤山治邸)、そして、鐘紡資料の調査(神戸大学)なども行うことで、武藤及び鐘紡が、南米拓殖株式会社の設立を通じて、ブラジルへの海外移住事業を展開していく状況について調査研究した。 なお、これまでの本研究にかかわる当該年度の成果については、学会報告及びそのための論文及び報告予稿として、山本長次「Brazil emigration business of Sanji Muto(武藤山治のブラジル移住事業)」(『ISHIK(International Symposium on History of Indigenous Knowledge)2015』、2015年11月)、山本長次「武藤山治の企業福祉と社会貢献」(『第20回進化経済学会東京大会2015』(予稿)、2016年3月)、学会および研究会報告として、山本長次「鐘紡・武藤山治の対伯直接投資」(日本経営学会九州部会)、山本長次「武藤山治の経済経営思想」(九州産業大学経済学会研究会)、山本長次「森永太一郎及び武藤山治とアメリカ」(佐賀大学地域学歴史文化研究センター交流プロジェクト研究会)などがあるほか、山本長次「武藤山治とアメリカ」(神奈川県葉山町民大学)などの公開講座における報告も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、国内における史資料収集のほか、ブラジルのパラー州及びサンパウロ、アメリカ合衆国カリフォルニア州における現地調査及び史資料収集、研究報告及び公開講座等おける研究の還元、そして、論文作成を計画したが、これまで、すべてを達成してきている。そして次年度、さらに国内の研究機関等でのものを中心に史資料収集を行うことで、総括的な報告や論文作成が行える予定である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる今年度は、さらに国内の研究機関等でのものを中心に史資料収集を行うことで、総括的な報告や論文作成が行える予定である。 また、すでに26th East Asian Economic Symposium(2016年8月、University of Peradeniya,Sri Lanka)や、日本経営学会大会(2016年9月、専修大学)における本研究にかかわる報告も予定しており、このような成果も踏まえて、総括的な論文を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の史資料収集のための国内出張旅費や外国出張旅費等が、所属研究機関の経費でもまかなえたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度においては、史資料収集のための費用が研究の進捗により増えるため、本研究費を活用していく。
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