本研究の目的は、戦後イギリスにおける移民第2世の成長と労働市場政策の相互関係の分析である。新英連邦からの移民だけでなく、ヨーロッパ諸国からの移民が労働市場で果たした役割を分析し、イギリス労働市場における外国人労働者への依存をあきらかにした。 一方、戦後イギリスに移民をした新英連邦出身者の第2世代は1970年前後から次第に労働市場に参入する。 1970年代以降、若年者の失業は深刻な問題となった。政府は,若年労働者の職業訓練計画において従来新英連邦からの移民や外国人労働力に依存した産業への導入を図ったが、こうした産業における低賃金、不規則な労働時間などの問題を解決できず、失敗に終わった。
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